富士山 吊るし雲

k1.jpg
二月某日 早朝

今日の朝は富士山周辺や神奈川県、伊豆半島などであまり動かない大きな雲が見られました。これは「吊るし雲」と呼ばれ、上空の風に乗って流れる普通の雲と違い、一度出現すると場所が殆ど動きません。その様子が山の風下に吊されている様に見えるので「吊るし雲」と呼ばれます。

202401230075_box_img3_A.png

吊るし雲は「レンズ雲」と呼ばれる種類の雲の一種で、高い山の風下に出現します。特に上空を一定の強い風が吹いて、上空の空気が湿っている、と言う気象条件が重なった時に発生し易くなります。強い風が山にぶつかると風の流れが変わり、風下では上下に振動する空気の波が出来ます。

これを山岳波と呼び、湿った空気が波の山の部分で上昇する事で雲が発生、谷の部分で下降する事で雲が消えると言う原理で波に沿って雲が出来ます。波の上下する場所はほぼ一定なので、空気は入れ替わっても同じ場所で雲が出現し続ける訳です。富士山の様な単独峰の風下では円盤状や手羽先状のレンズ雲になり、山脈の風下に出来る場合は山脈と平行な帯状のロール雲になります。

k0.jpg
合体

ところで、写真の雲は富士山の真上にありますよね。でも笠雲では無くて吊るし雲なんです。それは富士山の向こう側に出来ているので真上にある様に見えているだけなんですね。なのでこの写真の左側に回り込んで見ると、吊るし雲は富士山頂の左側に離れて浮かんでいる訳です。

k3.jpg
なので富士山から少し離れた場所にも発生します。

k5.jpeg

この記事へのコメント

  • pogpog

    静の富士山、動の雲。モノクロ表現も魅力的。
    2024年03月03日 12:30
  • ナツパパ

    家から富士山が見えたらなあ、と羨望するこの頃。
    冬の富士は格別ですものねえ。
    2024年03月16日 10:51
  • gop

    沢山コメント有難うございます、今日は霞んで見えません^^
    2024年03月16日 11:23