富士山 笠雲(レンズ雲)

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一月某日 早朝

今朝は富士山の山頂付近に大きな笠雲(レンズ雲)が出現しました。
これは、日本付近に接近している前線の前面で湿った強い風が吹いているためです。

上空の強風と湿った空気で笠雲発生前線の南側にあたる富士山周辺には湿った空気が流れ込んでいて雲が発生し易くなっており、山梨県河口湖の上空2000m付近では15〜17m/s前後の強い西〜西南西風が吹いている状況で、これにより山頂付近に覆い被さる様な笠雲が発生したと考えられます。

笠雲は富士山の様な独立峰の山頂付近に現れる雲で、山が笠を被っている様に見えることから笠雲と呼ばれ、上空の風に強く湿った空気が存在する気象条件の時に発生し易くなります。

強い風が山にぶつかると両側や上方に風の流れが変わります。空気が湿っていると、風が山にぶつかって持ち上げられ膨張して冷える過程で雲が発生。山頂の風下側では再び空気が下り、暖まって雲が消えるという原理で、山頂付近にだけ雲が出来るのです。

時間が経過しても空気の流れは急に変化せず、風が上昇する過程で雲が出来て、風が下降する過程で雲が消えて行くという現象を絶え間なく繰り返す事で、同じ場所に雲が止まって見えるのです。

今日の富士山周辺エリアでは日差しが届いても雲の広がり易い一日となり、体感は日差し次第で昼間も10℃を上回る予想ですが、日陰では寒さが優勢となるため、ある程度の防寒は必要です。

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十分後 上部が分離三十分後には形が崩れ始め、次第に消滅。 

笠雲が出来る仕組み  https://www.tokyo-np.co.jp/article/190168

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