117クーペの真実?その2

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三年目に入る直前、私の117クーペ 雨の明日香村にて 1980.3.7

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117デザインベースと言われた ベルトーネ フィアット ディーノクーペ

1965年11月 スパイダー トリノショー出品(ピニンファリーナ)
    9月 ジュージャーロ御大 ベルトーネ退社
1966年11月 トリノショー出品 https://b-cles.jp/car/fiat_dino.html

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ギア いすゞ 117スポーツ(1966.3〜プロト1号完成後に描かれたレンダ)

1965年9月 ジュージャーロ御大 ギア入社
   10月 デザイン二案(サーベル付き・以下ディーノ風)いすゞ提出
1966年3月 ジュネーブショー出品(プロト1号)いすゞ、量産検討に入る
https://images.driver-web.jp/articles/28000/28439/wysiwyg/th_117_02-1.jpg

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65.10 プロト1号レンダ

1966年6月 東京ショー用プロト(プロト2号)いすゞ、ギアに発注
   10月 東京モーターショー出品(プロト2号) 
       
https://www.webcg.net/articles/gallery/39574#image-10

これまでプロト1号から2号への御大修正デザインは存在せず、直接ギア工房で制作されショーモデル化されたと言われていたが、以下の様なレンダリングが。

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ギア デトマソ パンペロ(展開レンダ)フロントデザインは117に酷似。 

1966年7月 レンダ、デザイン展開(制作時期117プロト2号と重なる)
     11月 トリノショー出品(ディーノクーペ同年トリノショーデビュー)

考 察:117プロト1号から2号へのデザイン変更は主にフロント部、フェンダー先端を逆スラント形状に変更した点だが、上記パンペロレンダのフェンダー・グリルデザイン展開案は殆ど量産117に近く(偶然と思われるが、HMより量産丸目に近い)特にディーノクーペには無いグリル下部ヘッドライトの切欠きが117を想起させる(ジュリアスプリントから始まったヘッドライト下部の切欠きは、後の初代パサート、ゴルフにも引き継がれる)

ex.第19回 東京モーターショー(1972.10)
117クルーザー展示(量産ベースワゴン)

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切欠き無し レンダ ショーモデルとほぼ同じ

仮説:これまでディーノクーペが量産117(プロト2号〜3号)のベースと言われて来たが、両車には少なくとも一年の時間差があり、ボディサイズも異なる(ディーノは一回り大きい)それに対し117プロト2号の修正デザイン作業と、パンペロのデザイン作業は同時期で(1966年6〜7月)ボディサイズも殆ど同じ(全長3.97m 全幅1.63m)並行してレンダリングが描かれた可能性は非常に高い。パンペロデザイン展開の中に、117プロト2号の修正デザイン案が幾つかあったとしても不思議では無い(少なくとも御大の頭の中にはあった筈)

さて、真実は如何に・・

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参考: 幸運がもたらした作品 https://www.webcg.net/articles/-/39574?page=2
117クーペの真実 その壱 https://monom0no.seesaa.net/article/2020-03-26.html

注:レンダはネット上から拾っています。

この記事へのコメント

  • kanican

    ヘッドライト下部の切り欠きに御大の特徴を見るのはgopさんらしい
    ですね。
    1963年にイソ・グリフォのプロトタイプを発表しているので、
    この時期の御大のクーペ像というものが117クーペで大きな結実に
    なりましたよね。
    2021年09月06日 23:43
  • gop

    昔、楕円五つだけ使って某クラブのマークを作った事がありました。
    単純であればある程アイコンとしては優れています。
    六十年代、御大デザインの基本骨格は共通しているので、後はメーカー・車種によってどの様なアイコンを与えるか、インハウスデザイナーとしても苦慮していたのでは無いでしょうか。

    まぁ青春時代は過ちもあります^^ 軽度で終わればラッキー、先日のメールは無視してください。失礼致しました。
    2021年09月07日 06:13
  • pogpog

    丸目のアコード懐かしい、最近まったく見かけない。
    2021年09月08日 01:46